私たちは日々の生活の中で、仕事や目標、自己成長についての課題に直面しています。やる気を引き出す方法や、成功に向けた行動の起こし方、夢を実現するためのヒントを探し求めている人も多いでしょう。幸いなことに、TEDなどのプレゼンテーションには、私たちの行動や考え方に変革をもたらす力があります。
そんな素晴らしいプレゼンテーションの中から10本をピックアップし、それぞれの概要と感想をまとめました。これらの動画は、仕事や人生の課題を解決するためのインスピレーションを与えてくれるでしょう。また英語学習者にも是非聞いてほしいスピーチばかりです。

TED動画優秀な教材としても有名です。興味や関心があるものを教材として選択できるのがいいですね。
TEDとは?
TED(テッド)は、「Technology, Entertainment, Design」の略で、1984年に設立された非営利団体です。
技術
(Technology)
エンターテインメント
(Entertainment)
デザイン
(Design)
デザイン
(Design)
もともとは、技術(Technology)、エンターテインメント(Entertainment)、デザイン(Design)という3つのテーマを中心に始まりましたが、現在ではそれを超えて、科学、教育、ビジネス、文化、アートなど、さまざまな分野のアイデアを共有する場となっています。
TEDの特徴としては、アイデアを広めることが目的としています。TEDのスローガンは「Ideas worth spreading(広める価値のあるアイデア)」。革新的なアイデアや考え方を共有し、世界中の人々にインスピレーションを与えることを目的としています。
代表的な活動として、スピーカーが行うプレゼンテーション「TED Talks(TEDトーク)」があります。これらのトークは18分以内で行われることが特徴で、シンプルかつ魅力的なスタイルでアイデアを伝えます。スピーカーには、著名な科学者、起業家、アーティスト、教育者、社会活動家、さらには一般市民まで幅広い人々が参加します。彼らの話は専門的でありながらもわかりやすく、視聴者が簡単に理解できるよう工夫されています。
当ブログではyoutubeの動画で紹介していますが、TEDのウェブサイトでも視聴できます。画質もかなり良いです。
モチベ爆上がりのスピーチ動画一覧
順 | タイトル | スピーカー | 時間 | 概要 |
---|---|---|---|---|
1 | マット・カッツの30日間チャレンジ | マット・カッツ | 03:27 | 人生を少しずつ改善するための「30日間チャレンジ」について |
2 | 先延ばし魔の頭の中はどうなっているか | ティム・アーバン | 14:03 | 先延ばし癖を持つ人々の頭の中を擬人化したキャラクターで説明 |
3 | 好きになる仕事はどうしたら見つかるのか | スコット・ディンズモア | 17:47 | 自分が情熱を持てる仕事を見つける方法について |
4 | 夢をダメにする5つの方法 | ベル・ペシ | 06:16 | 夢を実現する際に陥りやすい5つの罠についての説明 |
5 | 成功のカギは、やり抜く力 | アンジェラ・リー・ダックワース | 06:13 | 「やり抜く力(グリット)」が成功において重要であることを主張 |
6 | やる気に関する驚きの科学 | ダニエル・ピンク | 18:36 | 伝統的なインセンティブ(報酬と罰)がやる気に与える因果関係 |
7 | 天職が見つからない人がいるのはどうしてでしょう? | エミリー・ワプニック | 12:26 | 複数の興味やスキルを持つ人(マルチポテンシャライト)について |
8 | 成功と失敗をわける本当の理由 | ダン・ローク | 18:00 | 成功に必要な考え方を分かりやすく解説 |
9 | 自分をだますのをやめる方法 | メル・ロビンズ | 21:40 | 行動トリガー「5秒ルール」というシンプルなテクニックを提案 |
10 | 社会運動はどうやって起こすか | デレク・シバース | 05:42 | 社会運動の起こし方についてユニークな視点を提供 |
マット・カッツの30日間チャレンジ
- タイトル:マット・カッツの30日間チャレンジ
- スピーカー:マット・カッツ
- 動画時間:03:27
マット・カッツは、人生を少しずつ改善するための「30日間チャレンジ」について語ります。このアイデアは、新しい習慣を試したり、悪い習慣をやめたりするためのシンプルな方法です。彼は、30日という期間がちょうど良い挑戦の長さであり、具体的かつ達成可能な目標を設定するのに最適だと説明します。また、この取り組みを通じて得られる自己成長や満足感についても触れています。
短期間で達成可能な小さな目標に集中するという提案は、非常に実用的だと感じました。特に、「挑戦することそのものを楽しむ」という彼の考え方が印象的でした。また、失敗しても30日間という短い期間なら立ち直りやすいという点も、気軽に試してみようと思える要因です。この方法を使えば、長年先延ばししていたことにも前向きに取り組むことができそうです。
先延ばし魔の頭の中はどうなっているか
- タイトル:先延ばし魔の頭の中はどうなっているか
- スピーカー:ティム・アーバン
- 動画時間:14:03
ティム・アーバンは、先延ばし癖を持つ人々の頭の中を擬人化したキャラクターで説明しています。「理性的な意思決定者」「快楽モンキー」「パニックモンスター」の3つのキャラクターが登場し、それぞれがどのように行動を支配しているかを図解します。快楽モンキーは短期的な楽しみを追求し続け、やるべきことを後回しにしますが、締め切りが近づくとパニックモンスターが目覚め、先延ばしをやめて仕事に取り組むように仕向けるという仕組みです。また、締め切りのないタスク(たとえば自己改善や長期的な目標)が、特に先延ばしされやすい点についても言及しています。
ユーモアあふれる語り口と視覚的な説明のおかげで、先延ばしという複雑なテーマが非常に理解しやすくなっていました。「快楽モンキー」や「パニックモンスター」の例えは非常に共感でき、自分の行動を振り返るきっかけになりました。締め切りのない目標に対してどのように対処するかを考える必要性を強く感じました。この動画は、先延ばし癖に悩む多くの人にとって、行動を変えるきっかけを与えるものだと思います。
好きになる仕事はどうしたら見つかるのか
- タイトル:好きになる仕事はどうしたら見つかるのか
- スピーカー:スコット・ディンズモア
- 動画時間:17:47
スコット・ディンズモアは、自分が情熱を持てる仕事を見つける方法について語ります。彼は「自分が本当に好きなことは何か」という問いを深く考えることがスタート地点だと述べています。そのためには、自分自身を知る努力をすることが重要です。具体的には、自分が何にワクワクし、何が苦痛なのかを正直にリスト化することや、日常の中で好きな活動や得意なことを見つけることを提案しています。また、他人の期待や世間の常識に縛られることをやめ、自分が心からやりたいことを選ぶ勇気が大切だと強調しています。そして、それを実現するために小さな行動を積み重ねることの重要性を説きます。
このプレゼンテーションは、自分自身のキャリアに対する見方を根本から変えてくれるものでした。「自分を知ること」や「他人の期待を手放す」という考え方は、シンプルながら多くの人が見落としがちな点です。また、スコット自身が自らのキャリアにおいて経験した困難を共有しているため、そのメッセージには説得力があります。「情熱を持てる仕事を見つける」ことは簡単ではありませんが、彼が提案する具体的な方法を試してみようという気持ちになりました。
夢をダメにする5つの方法
- タイトル:夢をダメにする5つの方法
- スピーカー:ベル・ペシ
- 動画時間:06:16
ベル・ペシは、夢を実現する際に陥りやすい5つの罠について説明しています。その中には、「簡単に成功できると思い込むこと」「他人に全てを頼りすぎること」「計画を立てすぎて行動を起こさないこと」などが挙げられています。これらの行動が夢を遠ざける理由について具体的に解説し、夢を実現するためには現実的な行動と努力が欠かせないことを強調しています。
夢を壊す行動を逆説的に説明するアプローチが新鮮で、非常に考えさせられる内容でした。「成功は容易ではない」という現実を認識しながらも、それを言い訳にせずに進むことの重要性が印象に残りました。また、ベルが挙げる具体例が身近で共感できるため、自分自身の行動を見直す良い機会になりました。
成功のカギは、やり抜く力
- タイトル:成功のカギは、やり抜く力
- スピーカー:アンジェラ・リー・ダックワース
- 動画時間:06:13
アンジェラ・リー・ダックワースは、「やり抜く力(グリット)」が成功において重要であることを主張しています。彼女は教育現場や企業での研究を通じて、IQや才能だけではなく、長期的な目標に向かって粘り強く努力する力が成功に直結することを示しています。また、この力を育てるための方法として、失敗を学びに変える姿勢や、目標に対する情熱を維持する方法についても具体的に言及しています。
「やり抜く力」という概念は、成功に必要な要素として非常に説得力がありました。特に、彼女の研究結果が科学的根拠に基づいている点が印象的でした。また、長期的な目標を設定し、それに向けて一貫した努力を続けることの大切さを再確認しました。このプレゼンは、やり遂げる力を自分の中でどう育てるべきかを考える素晴らしいきっかけを与えてくれました。
やる気に関する驚きの科学
- タイトル:やる気に関する驚きの科学
- スピーカー:ダニエル・ピンク
- 動画時間:18:36
ダニエル・ピンクは、伝統的なインセンティブ(報酬と罰)がやる気に与える影響を再評価し、新しいアプローチを提案します。彼の話は、行動経済学や心理学の研究を基に、報酬が必ずしも効果的でない場合があることを示しています。特に、創造的な問題解決や複雑なタスクにおいては、内発的動機づけ(目的意識、自己決定、成長の欲求)が重要であると強調します。ピンクは、企業や教育現場での動機づけの方法を変えるべきだと主張し、「目的」「自律性」「熟達」の3つの要素が成功のカギだと述べています。
ピンクのプレゼンテーションは、モチベーションに関する従来の考え方を覆すもので、非常に啓発的でした。特に、「お金だけではやる気は持続しない」という点が、現代の働き方改革や教育の場でも応用できる考えだと感じました。また、内発的動機づけを重視するアプローチは、自分自身の目標設定にも役立つと思いました。
天職が見つからない人がいるのはどうしてでしょう?
- タイトル:天職が見つからない人がいるのはどうしてでしょう?
- スピーカー:エミリー・ワプニック
- 動画時間:12:26
エミリー・ワプニックは、複数の興味やスキルを持つ人々(彼女が「マルチポテンシャライト」と呼ぶ)について語ります。彼女は、一つの特定の「天職」に固執する必要がない理由を説明し、複数の分野で成功を収める可能性があることを示しています。さらに、マルチポテンシャライトが持つ独自のスキル(アイデアを結びつける力、急速な学習能力、適応力)を活用すれば、複雑な問題を解決したり、新しい道を切り開いたりできると主張しています。
このプレゼンは、「一つの道を選ばなければならない」という一般的な考えに対する挑戦であり、多くの人に希望を与える内容でした。自身の多様な興味が欠点ではなく、むしろ強みであると捉えられる点が特に印象的でした。エミリーの話を聞いて、自分の選択肢を広げ、興味を追求することに自信が持てるようになりました。
成功と失敗をわける本当の理由
- タイトル:成功と失敗をわける本当の理由
- スピーカー:ダン・ローク
- 動画時間:18:00
ダン・ロークは、成功と失敗の本質的な違いについて、自己反省と習慣の重要性を強調します。彼は、成功者がどのように逆境を乗り越え、自分自身を成長させるのかを例を挙げながら説明しています。また、失敗の原因として、恐怖心や自己疑念に屈して行動を起こさないことを挙げ、成功の鍵は一貫した努力と前向きな姿勢にあると述べています。
このプレゼンは、成功に必要な考え方を分かりやすく解説しており、非常に勇気づけられる内容でした。特に、失敗を恐れずに挑戦し続けることの大切さを改めて実感しました。自分の中にある恐怖心や疑念と向き合い、それを克服する方法を考えるきっかけとなる話でした。
自分をだますのをやめる方法
- タイトル: 自分をだますのをやめる方法
- スピーカー:メル・ロビンズ
- 動画時間:21:40
メル・ロビンズは、行動を起こすための心理的な障壁について掘り下げ、「5秒ルール」というシンプルなテクニックを提案します。このルールは、やるべきことを考えた直後にカウントダウン(5、4、3、2、1)を行い、躊躇する前に行動に移すというものです。彼女は、行動を阻むのは複雑な心理ではなく、小さな決断を先延ばしすることだと指摘し、自己欺瞞から抜け出す具体的な方法を示します。
「5秒ルール」という考え方は、驚くほどシンプルでありながら実践しやすく、すぐに日常生活に取り入れることができそうです。特に、行動のタイミングを逃さないという点が印象的で、やる気に頼らず行動を促す仕組みを作ることの大切さを感じました。メルのエネルギッシュな語り口も、モチベーションを高めてくれる要因でした。これは有名な習慣化のルールですね。
社会運動はどうやって起こすか
- タイトル:社会運動はどうやって起こすか
- スピーカー:デレク・シバース
- 動画時間:05:42
デレク・シバースは、社会運動の起こし方についてユニークな視点を提供します。彼は、リーダーが行動を起こすだけでなく、最初にそれを支持する「フォロワー」の役割がいかに重要かを説明します。また、一見小さな行動でも、それが他者に伝染し、大きな変化を生む可能性があることをユーモラスに語っています。動画には、裸足で踊る男の例が示されており、リーダーシップの本質が分かりやすく表現されています。
このプレゼンは、リーダーシップに対する固定観念を覆すものでした。リーダーだけでなく、フォロワーの役割がいかに重要かを強調しており、自分自身の行動が周囲に与える影響を再考するきっかけになりました。簡潔ながらも深いメッセージが込められており、社会的変化を引き起こすためのヒントが詰まった内容でした。内容も短く分かりやすいので是非とも見てほしい動画です。
TEDがもたらすもの
TEDは、単なる情報提供の場ではなく、新しい視点やアイデアを共有することで、私たちの考え方や行動を変えるきっかけを与えてくれる場です。科学的な発見から個人的な体験談まで、多岐にわたる話が私たちの日常や未来をより豊かにするヒントを提供しています。
TEDトークは公式ウェブサイトやYouTubeなどで無料公開されており、誰でも視聴することが可能です。また、多言語の字幕が用意されており、言語の壁を超えて多くの人に届けられています。TEDの講演は、英語学習のツールとしても活用されています。ネイティブの生きた英語を聞くことができる様々な分野のトピックを扱っているため、単語や表現の知識も養える英語学習にも役立つ機能がたくさんあります。是非とも有効活用して欲しいです。
TEDは英語学習におすすめ!
- 実用的な英語が身につく
映画と比較すると、TEDの動画はスラングが少なく、より実用的な英語が使われています。また、10~20分程度の長さの動画が多く、短時間で効率よく学習できる点もメリットです。さらに、実際のスピーチを題材にしているため、英語だけでなく、プレゼンテーションスキルも学ぶことが可能です。 - 興味のあるトピックを自由に選べる
TEDは幅広いテーマを扱っており、自分の興味や関心に合った動画を選ぶことができます。このため、楽しく学習を進めることができるのが大きな魅力です。また、興味のある分野なら専門的な単語もスムーズに覚えられるでしょう。 - 字幕とスクリプトが利用できる
TEDの動画は多言語の字幕に対応しており、英語だけでなく日本語字幕やスクリプトも利用できます。これにより、英語字幕を見ながら内容を把握したり、日本語のスクリプトを使って不明な箇所を確認したりと、多様な方法で学習を進められます。また、スクリプトを活用してシャドーイングを行うこともできます。 - 再生速度を調整できる
YouTubeと同様に、TEDの動画も再生速度を調整することが可能です。聞き取りが難しい場合は、0.5倍速や0.75倍速に設定して、ゆっくりと音声を確認できます。※当ブログはYouTubeを埋め込んでいます。
有効な学習方法
- 英語字幕を使って視聴する
まず、自分の関心に合った動画を選び、英語字幕またはスクリプトを参照しながら視聴します。この際、どれくらい内容を理解できるか、どの部分が聞き取れるかを意識してみましょう。
もし内容が難しすぎると感じた場合は、トピックを変更するのも一つの手です。特に専門性の高いテーマは、専門用語が多く難易度が上がることがあります。 - 日本語字幕で内容を確認する
英語だけでは内容が理解できない場合、日本語字幕やスクリプトを活用して内容を把握しましょう。英語音声に集中するためのサポートとして、日本語字幕は役立ちます。
英語字幕で十分に理解できた場合、日本語字幕は必要ありません。特に中級者や上級者は、必要な部分だけを日本語字幕で確認することで、日本語に頼らず学習する姿勢を心がけましょう。辞書を使う場合は、英英辞典を活用することをおすすめします。 - 新しい単語やフレーズを確認する
理解できなかった単語やフレーズを字幕やスクリプトを使って確認しましょう。それらをメモしておき、さらにその単語やフレーズを使った文章を自分で作成することで、語彙力とライティングスキルを強化できます。 - 英語字幕で再度視聴する
すべての内容を理解した上で、もう一度英語字幕を表示して視聴します。この際、聞き取れなかった部分に注意を払いながら、リスニングスキルの向上を目指しましょう。また、英語字幕を見ることで、リーディング力の向上も期待できます。 - シャドーイングやオーバーラッピングを行う
最終的に、スクリプトや英語字幕を活用してシャドーイングやオーバーラッピングを練習します。
シャドーイング:音声を1~2語遅れて追いかけながら発音するトレーニング。
オーバーラッピング:音声と同時に発音するトレーニング。
これらの練習を通じて、英語特有のリズムや強弱を体得し、スピーキング能力の向上を図ります。
練習を終えた後は、字幕やスクリプトを見ずにもう一度動画を視聴してみてください。リスニング力が大幅に向上したことを実感できるはずです!
まとめ
今回ご紹介した10本のプレゼンテーションには、それぞれのスピーカーが独自の視点から人生や仕事、成功に対するアプローチを提示しています。スコット・ディンズモアやエミリー・ワプニックは、自分に合ったキャリアや生き方を探求するヒントを与え、ダニエル・ピンクやメル・ロビンズは、やる気や行動を起こすための具体的な方法を提案しています。また、ダン・ロークやアンジェラ・リー・ダックワースのように、粘り強さや習慣の力を説くスピーカーも印象的です。